塗装豆知識 | 豊工業株式会社

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塗装の豆知識・Q&A

塗装の役割

塗装には、保護と色彩そして機能としての役割があります。
それら役割を果たすために様々な塗料や塗装技術が開発され、進化し続けています。

保護

多くの製品は雨や風、紫外線などによって、素材を傷める環境にさらされています。
塗装により、丈夫な皮膜を作ることで、素材元来の性能が劣化することを防ぎます。

色彩

塗装によって風合いやデザインを決定することができます。
街の美観を創りたい、個々の感性に訴えたいというイメージを色彩によって実現することが可能です。

機能

汚れ防止や遮熱・断熱など、塗装にはあらゆる機能が付加されてきました。
先端の素材開発と塗装技術の融合によって新たな機能を生み出すなど、あらゆる可能性を秘めています。

Q&A

Q1.缶スプレーで綺麗に塗装がしたいのですが、、、

※説明動画の音声は消しています

ポイント1しつこいほど振りながら塗る

色にムラが出ないようにしっかり振ってから(いっぱいカラカラと音を立ててから)塗る事、とよく言われると思いますが、実はポイント2の暖めながらにも、よく振ることは重要です。
振ることによって手のぬくもりで温められますので、塗りながらもシューっとしてない時はいつも振ってましょう。

ポイント2スプレー缶を暖めながら塗る。(ただし注意点あり)

缶スプレー塗料は、封入ガスの圧力で液状の塗料を霧にして吹き付けています。

使用していると、気化熱で冷えてしまいガスの圧力が下がってしまいますので、細かい霧が出なくなりブツブツっと塗料が出るようになりきれいに塗りにくく、また垂れやすくなります。

気温の高い時期はまだ良いのですが、特に気温の低い時期には顕著に現れます。
気温の高い時期は、少し塗ったら缶をよく振って、冷えた中の液体を缶の周りから温めるようにしてあげれば、すぐに温まって内圧が高くなるのできれいな霧が出ます。

では、気温の低い時期はどうすれば良いでしょう。貼るホッカイロを貼ってみて下さい。(※ただし使用していないときは必ず外して下さい。内圧が上がりすぎて破裂する危険があります。)

そして、気温の高い時期と同様に少し塗ったら缶を振って中の液体を温めてあげます。 缶の温度の目安は人肌程度です。くれぐれも暖めすぎは破裂の危険がありますので、自己責任でお願い致します。

ポイント3とにかく少しずつ、根気よく重ねながら塗る

一般的な缶スプレー塗料は、さらさらとした液状の塗料が封入されてます。スプレーでは無い、缶に入った、刷毛で塗るような塗料はドロッとしたものなので、このイメージがあるのではないかと思いますが、実際には水に近いくらいさらっとしたものです。

ですので、霧吹きで水をスプレーしたときに、水が流れないで全体に細かな水が付いて光っている、ぐらいのイメージで少しだけ塗ります。この時は色がムラムラで、少し汚く見えますがこれを繰り返します。缶を振って温めているぐらいの時間で、表面は少し乾きますので、もう一回塗ります。色がきれいにムラが無くなるまで何度か繰り返します。この時のポイントは、横に塗ったら次は縦に塗る事です。

特に黄色などは、中々色がついていかないので、いっぺんにたくさん塗ってしまって垂れてしまったりし易いですから、少しずつを根気よく繰り返します。

この時、少なすぎるとざらざらになってしまいますので、ポイントは「霧吹きで水をスプレーしたときに、水が流れないで全体に細かな水が付いて光っている」ぐらいのイメージです。

缶スプレーには丸パターンと、楕円パターン(向き)があるものがあります。パターンとは、スプレーの塗料が出るノズルの先端から、塗料がどうやって、どの方向に広がっていくかを表すものです。広がり方によって、くっつき方も変わるので、塗り方も変わります。
丸パターンには、縦横が無いのでどちらに手を動かしても同じように塗れますが、広がりが弱いので拡散しにくい為、ムラができやすく垂れ易くなります。
楕円パターンは、縦横がある為、塗料の広がり方を理解して無いときれいに塗れなくなります。横に手を動かせば広がってますので拡散させやすくムラが少なく塗る事が少し簡単になりますが、縦に手を動かして塗ってしまうと、より集中して塗料をくっ付けてしまいますので、丸パターンよりムラが出やすく垂れ易くなります。また、縦横を理解して無いと、横は薄いのに縦は濃い、というような顕著なムラが出ます。自信のない方は丸パターンの方がムラになりにくいですが、自信のある方は楕円パターンで縦横に塗った方が均一に塗れます。
缶スプレーを購入するときに、丸パターンと楕円パターンが書いてありますので、特性を考慮して理解して購入すると良いです。

ポイント4風の強い場所では塗らない

風が強い場所で塗ると、塗料の霧が飛んでいってしまうので、近づけて塗りたくなります。20cm~30cm離して塗るのが一番ムラの少ない距離ですので、近づけてしまうとムラが激しく塗料が一箇所に集中しやすくなるので垂れやすくなります。また、砂や埃なども飛んできてくっついてしまいますのできれいに塗れません。そよそよと風が通るぐらいの場所で塗りましょう。

ポイント5換気を決して怠らずに

風が無い方が塗りやすいといっても、空気が抜けないような密閉された場所や部屋の中で塗るときは十分に換気ができるように注意しましょう。

もやもやとした塗料の霧が充満している状態になってしまうと、何より中毒の危険がありますので特に気をつけてください。 またこの霧は、空気中で乾いて固まり細かな粒ゴミとして降ってきますので、きれいな塗装が出来なくなってしまいます。

わたしは学生の頃、車1台をホームセンターで売っている缶スプレーで塗った事があります。約50本ほど使用した記憶がありますが、結構きれいに塗れるものですよ! どうぞ練習をしてチャレンジしてみて下さい!